そのことは、すぐにサミー部長に通知されると思っていました。
この後、抗うつ剤の量が次第に増えていき、それが約10年続くことになるとは思ってもいませんでした。
その日は、なんとなく、残業しないで帰りました。
その夜、早速、入眠剤を飲んで寝たのですが、これが、嘘のように良く眠れました。
この時、初めて、今まで寝れていなかったことに気付きました。
その後、残業禁止の件で、サミー部長に呼び出されると思っていたのですが、いつまで経っても、サミーからは何の話もありませんでした。
近いうちにサミーに呼ばれ、「残業しないで帰れよ」と言われるものと思っていました。
私が直接、診断結果をサミーに話をすれば良かったのでしょうが、サミー部長とは話をしたく無かったこともあり、自分からは話をしませんでした。
でも、サラ先生からは残業しないで帰れと言われていたので、どうしようかと考えていました。
考えた結果、思い切って、元のA部署のトーマスにメール経由で相談してみることにしました。
すぐに彼からの返信があり、「主治医の指示に従うのが一番じゃないか」というものでした。この一言で決心が付きました。
毎日黙って定時で帰るわけにはいかないと思い、ソフト設計担当宛にメールを発信しました。
メールには、心療内科で受診したら鬱症状と診断されたこと、残業禁止を言い渡されたこと、入眠剤でよく眠れたこと、今日から残業しないで帰らせてもらうこと等を記載しました。いわゆる、カミングアウトです。
この少し前から、ベンチュラ社から出向してきていたアレックスとフェルナンドも
一緒に仕事をしていますので、宛先に含めました。
サミー部長は宛先から外しました。この件で、また呼び出されて話をするのが嫌だったからです。
その代わり、サミー部長の上司は宛先に含めておきました。
そのメールを発信後、その日から定時で帰るようにしました。